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【諦めかけた高級ソファが蘇る】アイラーセンソファカバー、カビと黄ばみのシミ抜き事例




こんにちは!山形県天童市でクリーニング店を営んでいます、武田クリーニングの武田信一です。

当店は、私一人で全ての業務を行う、家族経営の小さな個人店です。お客様からご相談をいただいてから、実際のお品物をお預かりし、カウンセリング、そしてシミ抜き作業から発送まで、私が責任を持って一貫して担当させていただいています。

今回は、私が手がけた中でも特に印象深い、アイラーセンのソファカバーのシミ抜き事例をご紹介します。動画のBeforeとAfterをご覧になった方は、その変化に驚かれたかもしれませんね。残念ながらシミが完全にゼロになったわけではありませんが、最終的にはお客様に大変ご満足いただけた、やりがいのある仕事でした。


お客様からのご相談:大切なアイラーセンソファをきれいにしたい


今回ご依頼いただいたのは、デンマークの人気ブランド、アイラーセンのソファカバーです。お客様からは、最初このようなお問い合わせをいただきました。

「購入してから大切に使っているアイラーセンのソファですが、子供が産まれてシミができてしまい、それからは市販のカバーをかけて隠して使っていました。そろそろ元のアイラーセンソファとして使いたいと切実に思うようになりました。」

アイラーセンのような高級ソファは、カバーだけでもかなりの高額になります。お客様からは、生地に大きなダメージはなく、まだしっかり使える状態なので、きれいに洗い、清潔な状態にして引き続き使いたいという強い思いが伝わってきました。


お預かりしたソファカバーの状態とクリーニングの難しさ


実際に送られてきたソファカバーを拝見すると、まだ小さなお子さんがいらっしゃるご家庭で日常的に使用されていることもあり、全体的な黒ずみや黄ばみ、部分的なシミや輪ジミが見られました。さらに厄介だったのは、広範囲にわたるカビの変色シミです。これは、私のこれまでの経験の中でも特に難しい状態だと感じました。

洋服のシミ抜きであれば、たとえ洗濯表示に反する洗い方であっても、同様のシミをきれいにする成功事例は数多くあります。しかし、この大きさで、この厚みのあるソファカバーに、ここまで広範囲かつ濃くカビの変色シミがあるのは、正直あまり記憶にありませんでした。

私は、できないことをできるとは言いません。実際、どうしてもできないこともあります。その場合は、できない理由をきちんとご説明するようにしています。

しかし、今回のケースは「何もできない」わけではなく、「トライできる可能性がある」と判断しました。

ソファカバーのようなインテリア用品のクリーニングは、洋服とはかなり異なるんです。脱着が非常に面倒なので、お客様も「もう我慢できない」という状態になってから初めて「洗いたい」と考えることが多いようです。今回のお客様も、シミが気になり始めてからは別のカバーをかけて隠しながら使い続けていたそうです。


困難なシミ抜きに挑む:武田クリーニングの判断基準


最近ついた飲食のシミやメイクのシミであれば、比較的短時間で除去できることが多いのですが、ソファカバー全体の汚れやカビの変色シミはかなり頑固で、簡単には取れません。

そのため、今回は特別な強い薬剤を高濃度で使用したり、高温で洗浄力の高い作業が必要だと判断しました。これは、洗濯表示すら付いていないアイラーセンのソファカバーにとっては、明らかに負担の大きい作業内容です。しかし、そうしなければ綺麗にはできない、というのも事実でした。

また、ソファカバーの洗浄力を重視したメンテナンスの場合、「縮み」が避けられないリスクであることも、ご相談の段階から包み隠さずお話ししました。これまでのアイラーセンのソファカバーでは、縮まなかった事例は一度もありません。たとえ洗濯表示が付いていてもドライクリーニング指定のものがほとんどで、水洗いOKだったケースもありませんでした。私にとっては、常にリスクを伴う作業なんです。

さらに、色や風合いの変化、縫製のほつれなどの可能性も、丁寧にご説明させていただきました。これらはすべて、お客様にとって不安を煽るような内容です。できれば、そういったご心配をかけたくはないのですが、お客様の大切な品物をお預かりする上で、考えられるリスクはすべてお伝えし、ご理解いただくことが私の責任だと考えています。


お客様の決断と職人としての覚悟


多くのリスクをご説明した中で、お客様は作業をご決断くださいました。

「このソファは引っ越しのお祝いとして両親から贈ってもらった大切なもので、可能な限り使い続けたいと思っています。買った時のように真っ白なソファカバーに戻ってくれることを期待し、武田さんに全てお任せします。」

このお言葉をいただき、私はお客様の期待に応えるため、全身全霊で作業にあたることを決意しました。


作業の工程と仕上がりのポイント


想定した時間を大幅に超えての作業となりました。

まず大変だったのが、座面と背もたれの裏地に大量に付着していたフェザーや微細なゴミの除去です。これがかなり厄介で、洗う前からかなりの時間を要しました。その後、洗浄とシミ抜きを何度も何度も繰り返していきました。

結果として、シミが全くないというわけではありませんが、全体的にとても綺麗になり、BeforeとAfterの差は明確です。日常使いでついた黒ずみや黄ばみは、ほぼ除去できました。部分的に薄く残っているシミもありますが、かなり目立たなくなっています。

特に苦労したのは、一番大きいカバーの背面下部にあった、カビや湿気が酸化してできた変色シミです。これは本当に手強く、当初想定していた時間の1.5倍をかけても完全に綺麗にすることはできませんでした。これ以上作業を続けるのはリスクの方が高いと判断した時点で、作業は終了です。どこまでがぎりぎりのラインなのか、その判断こそがシミ抜きの技術だと私は考えています。

お客様のお話では、この残ったシミの部分は壁に接するため、お部屋に設置したら見えない部分だそうです。もちろん、見えないからといってシミが残ってもいいなんて決して思っていませんが、結果的に見えないのであればお客様にもご納得いただけたようです。Afterだけ見ればシミが残っているのは分かりますが、BeforeとAfterの差は明確なので、変化を実感していただけるはずです。

面ファスナーのよれや生地の脆化、地色の変色なども問題なく、裏地のブランドロゴ部分の別布も大丈夫でした。ただ、やはり縮みは避けられませんでしたね。取り外しよりも取り付けの方が大変だったと思いますが、その点も事前にお伝えし、ご理解いただいていました。


お客様からの感動の声


そして、クリーニング後のソファカバーをお届けした際、お客様からこのような嬉しいメッセージをいただきました。

「率直な感想ですが、買った時よりもさらに白くなっているような感覚で正直大変驚いております。確かに台座のカバーのシミの一部分はうっすら残ってはいるようですが、ソファは壁付けで使用しているので問題はなく想像を上回る仕上がりにとても満足しています。部屋全体がとても明るく感じます。」

こうしたお客様からのお言葉をいただけた時、私は本当にこの仕事をしていて良かったと心から思える瞬間です。


シミや汚れでお困りの方へ


今回のアイラーセンソファカバーの事例は、決して簡単なものではありませんでした。しかし、お客様の大切な品物を「何とかきれいにしたい」という気持ちも一緒にお預かりしています。リスクにご理解いただき、ご依頼いただけるのであれば、私にできる限りの努力をお約束いたします。

もし、皆さんも同じようなシミや汚れでお困りの大切な衣類や、今回のようなソファカバー、あるいは諦めてしまっているものがありましたら、ぜひ一度、武田クリーニングにご相談ください。

山形県天童市へのご来店はもちろん、全国からの配送でのご依頼も承っております

ご相談は無料です。お見積もりもさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

これからも、一つ一つのご依頼に真摯に向き合い、お客様の「また着たい」「また使いたい」という気持ちに寄り添って尽力してまいります。

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