シミや汚れ
「落ちますか?」
と聞かれることがものすごく多いです。
シミや汚れは
「何が」付いたか
よりも
「何に」付いたか
が重要です。
シミが取れないならどんどん洗浄力を重視した全体処理(丸洗い)をするか、部分的にキツイ染み抜きをするだけです。
キツイ事をしても大丈夫なものに付いたのであれば難儀なシミも取れます。
弱い染み抜きですら出来ないものに付いたのであれば楽勝なシミも取れません。
今日の事例の依頼主は地元山形では大変有名な方でミッチーチェンさんです。
TV番組やCMでそのお姿を見ない日がないと思います。
また県内の各種イベントなんかにも大活躍なさっています。
事前にSNSのメッセンジャーからご相談を頂きました。
アイテムが白無地の綿素材のシャツだったので綺麗に出来ると思いました。
シミの原因である「デニムからの色移り」
からそう判断したのではなく
シミがついてしまったアイテムが「白シャツ」
であることから綺麗に出来ると思ったのです。
経験上
そのアイテムであれば洗浄力を重視した全体処理もキツイ染抜きも出来ると思ったからです。
同じシャツ(ブラウス)ってアイテムで素材がポリエステル100%でも同じように綺麗になる可能性が高いと判断したでしょう。
同じシャツ(ブラウス)でも素材がシルク100%であれば・・・
染み抜きに効果的な作業をすることで望ましくない変化が生じてしまう可能性が高くなります。
色や質感や風合いを保ってシミだけを取るのは仕事ですから、望ましくない変化が伴うのであればシミは取れないってことになります。
それから・・・
濃いシミを薄くすることは出来ても完全に消すとなるとグンとリスクが高くなります。
次に気になるのが全体処理OKの内容です。
ドライクリーニングが出来るかどうか。
水洗いが出来るかどうか。
片方しか出来ないなら出来るのはどっちかっも気になります。
ドライクリーニングとは
水洗いで必要なものは水と洗剤です。
でもドライクリーニングは水の代わりに石油系の有機溶剤を使います。
洗剤の代わりにドライクリーニング専用の洗剤を使います。
水洗いで使う洗剤は使えません。
ドライ用の洗剤も水洗いでは使えません。
また水洗いは洗った水もすすいだ水も排水します。
ドライクリーニングは有機溶剤なので排液しません。
タンクに入れて専用のフィルターを何種類か通してろ過して再利用しています。
ドライとは言いますがけして濡らさないわけではないのです。
ドライクリーニングの良さはたくさんありますが、洗浄力に関して言えば油性の汚れを落とすのがとても得意です。
だから油性のシミの場合はドライクリーニング出来るかどうかがとても大事です。
動画でも話していますが、今日の事例では二種類の汚れを綺麗にしています。
ひとつはご相談のあったデニムからの色移り。
もう一つは襟の黒ずみです。
この黒ずみは皮脂も含まれます。
皮脂は油性の汚れなので、ドライクリーニングをさせて頂いて先に油を落としてから水洗いをしています。
見事に真っ白にすることが出来ました。
作業する前に予想した仕上がり通りですが、予想通り綺麗になったことがとてもうれしいです。
ミッチーさんはたくさんの人に見られる仕事ですからね。
常に綺麗で清潔な服を着て今後もますますご活躍して欲しいです。
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