異なる色や柄の布を切り取って組み合わせて作られています。
素材表記も無ければ洗濯絵表示もありません。
複数の布を組み合わせてある事。
鮮やかな色彩が何色も使われています。
予め設計したパターンに従って使いたい布を正確な寸法にカット。
これによって、パッチが正確に合うようになります。
カットした布を指定されたパターンに合わせて組み合わせていきます。
これによって、色彩やデザインが調和した絵画のような作品が生まれます。
パッチを組み合わせたら、各パッチを縫い合わせます。
ここでの注意点は、正確な縫い代やシーム(縫い目)を取ることで布同士がしっかりとつながり、綺麗な仕上がりとなります。
パッチワークの仕上げとして、キルトステッチと呼ばれるステッチを布全体に施します。
これによって、布がふっくらとした質感になり耐久性が向上します。
手作りのパッチワーク作品は、その創造性と独自性から愛されるアートともいえる作品です。
しかも
それはお母さんが作った作品。
形見だそうです。
これを依頼するのって・・
かなり怖いのではないしょうか。
でも
どうしても取りたいシミがある。
いつ何が原因で出来た染みかわからない。
変色したシミが御座いました。
キレイな状態に復元したい。
依頼するお客様と同じように依頼された私も怖いです。
ビビります。
亡き母親が作ったパッチワークは、大切な思い出と繋がっている特別なアイテムです。
染み抜きやクリーニングを行う際は、その大事な思い出を損なわずに慎重に取り組むことが重要です。
しかし
この変色したシミを除去出来る可能性のある作業は明らかに素材や染料に影響を及ぼす可能性があります。
専門知識と経験が求められる作業だからこそ・・
僕に送ってくださった訳です。
とは言え・・
やっぱりビビります。
こんな大事なものにリスクを伴う作業をしていいんだろうか。
もちろん、リスクを最小限に抑えるために必要な手間は全部やりますよ。
それでもリスクはゼロにはならないし・・シミが取れないならどんどん染み抜きを強くしなければなりません。
それはどんどんリスクも高くなるって事です。
心配していたことは沢山ありましたが、早々に色の動く兆しを感じました。
赤か・・
赤い色が出ます。
赤い色が薄くなるとか
ムラになることは避けられましたが、他に部分に赤い色が色移りしてしまいます。
まだシミが取れてない段階で色移りのシミの対処もしなければなりませんでした。
どんなに机上で学んだとしても経験しなければ感じられない事は多いです。
ビビるアイテムのビビる染み抜きの経験で、数多くの予想外のことが起きています。
その度に焦ります。
ドキドキします。
出川さんの様に「やばいやばい」を繰り返し
何とか結果を出しています。
Before&after
かんたんそうに見えてもいいんですが・・・
うちの机の引き出しや押し入れには未来からやってきた猫型ロボットはいません。
未来の道具もありません。
あるのは経験と知識に基づく見極めの能力。
そして諦めない気持ちです。
完全に綺麗になっていません。
出来れば
完全に綺麗にしたかったです。
でも
これが限界だと判断しました。
お客様から「シミはもうどこにあったかわらない」ってコメントを頂きホッとしました。
大切にしていきます
との事。
うれしいです。
本当にありがとうございました。
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