良い感じのメンテナンスが出来ると思います。
ロフトもダウン程じゃないけど、Before&afterの差は実感出来るぐらい膨らむと思います。
部分的にあるシミも取れるし、裏地の襟の汚れの首輪も綺麗になります。
触った感じも良くなります。
傷穴も複数個所にあります。
これは改善しません。
スレの多い部分として、裾のドローコード部分とか袖先に傷穴がある事が多いのですが・・
依頼品はそこは全く問題なくて。違うところに傷穴多めです。
フードで隠れる首元にマジックで書いたインクのシミがあります。
その気になれば染み抜き可能だと思いますが・・
お客様もそのままでいいとの事だったので今回は染み抜きしていません。
襟の白タグの印字が薄くなっています。
これはもっと薄くなってしまうか・・
完全に消えてしまう可能性があります。
もちろん、消したくありませんが・・
経験上、既に消えてる状態で入荷してくるダスパーカも多いですし消えてしまうものだと思うしかありません。
ファスナーの持ち手のパーツはべたついています。
これは経年による劣化です。
部分欠けしてしまうかもしれないし、割れて取れちゃうかもしれません。
裾とフードのドローコードのストッパーになるプラパーツ。
これも経験劣化で割れたりする場合があります。
お腹のファスナーには緑青と言って金属につくカビは確認出来ました。
これも改善しません。
部分的なシミはいつ何がついかかわからない状態かと思います。
見た感じ同じ色のシミに見えても実際にシミの原因も違うし付いた時期も違うと思われます。
シミに薬剤を付けた状態だと一時的に濡れて濃い色になるので、シミの色と同化してシミの反応が非常にわかりにくいです。
ぶっちゃけ、全くわからない事もよくあります。
どう変化したかを確認するには一度濯いで中和して乾燥させなければなりません。
中綿がありますので生産性はかなり悪化します。
どれか一つのシミに効果的な薬剤を調合すれば他の全てのシミが取れる訳ではありません。
何故ならシミによって反応が違うからです。
それぞれの染み抜きに効果的な作業が必要となります。
シミや汚れが取れないのであればどんどん部分染み抜きをきつくするか・・
洗浄力をあげて全体処理をするしかありません。
Beforeよりafterが悪くなってしまう事なんて・・・
私もお客様と同じで全く望んでいません。
しかしリスクの全くない優しくデリケートなケアではもう気になってるシミや汚れを取る事は不可能な事が殆どです。
ハイリスクな作業をすれば・・
必ずシミが取れる訳でもないのですが・・
当店は成功報酬制で染み抜きをさせて頂いてるので、望ましくない変化の兆しを感じない(気付かない)場合、シミが取れるまでとことん作業を続ける事になります。
シミはなに「が」ついかかより
なに「に」付いたかによって凄く差があります。
近年物のパタゴニアのインサーションジャケットとビンテージ古着では同じ作業が出来ません。
ましてやマーズとともなればかなり稀少で特別です。
色やグロスの変化
リブのテンションやドローコードやファスナーの状態やそのパーツ。
そして中綿のロフトの状態など・・
最低でも現状を保つか現状より良くするために手間をかける事となります。
とは言え
経年劣化はどうしようもありません。
袖リブはテンションがまだ残っていますが、ややゴムが伸びてゆるくなっています。
これももう改善しません、
経年劣化に関しては・・
やさしくデリケートな洗いだったら大丈夫って訳でもなく、洗わなくても劣化は進行しますのでどうしようもありません。
当店では古いダスパーカの洗浄力を重視した作業を何度もさせて頂いております。
様々な経験から作業に伴うリスクをお知らせしています。
不安を煽るような内容が多くて申し訳ありません。
ただ作業が出来ない訳ではありません。
それから、依頼品はニオイが少し気になりました。
ニオイは感じ方に個人差があります。
常温では大丈夫でも温度と湿度が高くなると感じやすくなるのがニオイです。
フルメンテナス希望との事なので・・・
今回は消臭もさせて頂きました。
大成功です。
オリジナルのパーツも無事でした。
白タグの文字も無事でした。
傷穴はあるし、経年劣化による変化もありますが・・
シミ汚れ臭いゼロの綺麗で清潔なダスパーカに復元出来たと思います。
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