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10年前のノースフェイス・パープルレーベルを復活させる!ベイヘッドクロスのエイジングとシミ抜きの極意

こんにちは。


山形県天童市で「シミ抜き武田クリーニング」を営んでいる武田信一です。


今回、全国から届くご依頼の中からご紹介するのは、2013年製のTHE NORTH FACE PURPLE LABEL(ノースフェイス・パープルレーベル)のダウンジャケットです。


型番は「ND2367N」。


今から13年も前のモデルですが、色褪せない魅力を持つ一着です。


1. 代官山の風を感じる「オシャレな人のためのノース」


パープルレーベルといえば、代官山のショップ「nanamica(ナナミカ)」がプロデュースする限定ライン。


「代官山」……。山と田畑に囲まれた山形暮らしの私には、まさにパワーワードです。


行ったことはありませんが、名前はよく知っています。


本家ノースフェイスは本来ゴリゴリのアウトドアブランドですが、今やファッション性の高いオシャレ着として、タウンユースメインの人が多くなりました。


ここ山形の冬でも、外出すれば見ない日はないほどです。


でも、パープルレーベルは別物ですね。


本当に服が好きで、こだわりを持つオシャレな人しか選ばないブランドだと思います。


都会的というよりは「オシャレな人のためのノース」という感じがめちゃくちゃして、僕も服が大好きなのでナナミカの名前を聞くだけでテンションが上がります。


そんな特別な一着を、遠方のオーナー様が私を信じて託してくださいました。


2. プロが直感した「ボリューム不足」と「見えない汚れ」


お預かりした状態ですが、もちろん、膨らんでいないわけではないんです。


でも、プロの目で見ると「本来のポテンシャルなら、もっとパンパンに膨らんでいてもいいはずだ」と直感しました。


この中綿は「光電子ダウン」。


天然ダウンと遠赤外線効果のある化学繊維を組み合わせたハイブリッド素材です。


化繊が混紡されているからといって、暖かさや膨らみが劣るわけではありません。


じゃあ、なぜボリュームが足りないと感じたのか。


それは、汚れているからです。


汚れって、目に見えるシミにならない限り「まだ綺麗だ」と思ってしまいがちですが、実際は違います。


オシャレな大人がパープルレーベルを選んで着ているんですよ。


これ着て汚れる作業なんかしないでしょ?


「汚さないように、シミをつけないように!」


って気を付けるスイッチが、自動的にONになるはず。


それが最大の防御ですから。


だから何かをこぼしたようなシミは付かないけれど、洗わないで着続けていれば、そりゃあ汚れます。


3. 雪国の「3月の残雪」と同じ現象


雪国の人にしか通じない話かもしれないけれど、3月の道路脇にある「残雪」を思い出してください。


元は真っ白だった雪が、車道からの泥はねや排ガスであっという間に真っ黒い塊になりますよね。


洋服のメンテナンスを生業としている私には、あの残雪と、長年洗っていないダウンの状態が重なって見えるんです。


特に裏地の襟元。


ここは直接肌が触れる部分。


このダウンチューブがあることで防寒性は格段に上がりますが、その分、皮脂や汗を吸い込むことは避けられません。


見ても触っても、汚れが蓄積してベタついていることを確信しました。


袖があれだけ汚れるまで着込まれているんですもの、襟だって汚れていますよ。


4. ベイヘッドクロスだけが持つ「エイジング」の魅力


ここで、この服の最大の魅力に触れたいと思います。


古着が好きな方、アメカジが好きな方にぜひ伝えたいのが、この「65/35 Bayhead Cloth(ベイヘッドクロス)」の素晴らしさです。


今のダウンによくある化繊100%の素材では、エイジングを感じることは難しい。


でも、ロクヨンでダック地のようなこの生地は違います。


着込めば着込むほどキャメルカラーがフェード(退色)し、持ち主の動きに合わせて「アタリ」が出てくる。


今回、袖口などに見られる「白っぽさ」は、汚れではありません。


10年以上、オーナー様と共に歩んできたことで生まれた、世界に一つだけの表情です。


このフェード感こそが、新品には絶対に出せない、このジャケットだけの圧倒的な魅力なんです。


私の仕事は、このエイジングを活かしながら、邪魔な「汚れ」だけを精密に取り除くことです。


5. 結論:13年前のダウンが「極上のヴィンテージ」に


メンテナンスを終えたジャケットは、驚くほどパンパンに膨らみ直しました!


中綿の目詰まりが取れたことで、ダウン本来の保温力を発揮できる状態に戻っています。


汚れというノイズを取り除いたことで、ベイヘッドクロス特有のエイジングの魅力が、より一層際立っています。


13年前のモデルが、今、最高のヴィンテージとして生まれ変わりました。


再び息を吹き返したこのジャケットが、これからの冬もオーナー様を暖かく包み込み、素敵な思い出を刻んでいく。その一助になれたことを、山形の地より誇りに思います。


「もう寿命かな」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。


良い服は、正しく手を入れれば何度でも輝きを取り戻します。

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