まだ買い替えない！20年愛用のノースフェイスが新品級撥水に大変身 マウンテンレインテックス NP-2003 GORE-TEX

屋外でのレジャー、特にロードバイクのようなアクティビティを楽しんでいると、突然の天候の変化って怖いですよね。天気予報をしっかりチェックしても、急な雨に降られることは少なくありません。

今回の事例は、そんな突然の雨から身を守ってくれる、はっ水加工のBefore & Afterです。

お預かりしたのは、THE NORTH FACEのマウンテンレインテックス、品番NP-2003。お客様はロードバイクがご趣味で、出先で雨に降られた際に着用しているウェアだと伺いました。

スタッフサックも一緒にお預かりしましたが、収納しても結構な大きさがありますね。これを自転車に常備するには、やはりリュックを背負うことになるんでしょうか。きっともっと薄くて軽くて、小さく収納できるレインウェアもあるんだと思いますが、きっと機能性が落ちてしまうんだと思うんですよ。自転車の場合、耐水性と同じくらい大事なのが透湿性だったりしますから、やっぱりゴアテックスを選びたいですよね。雨だけでなく風も防いでくれますし、寒い時の保温にもかなりの効果を発揮してくれます。自ら移動するわけですから、刻々と天候も気温も変わりますからね、良いウェアは必須です。

このウェアは自転車でのツーリングにしか使わないとのこと。もう購入したのは20年近く前だそうです。そして、その間、洗濯は3回以下とのことでした。

全体的にシミや汚れがあるものの、「どうせ汚れることを気にしていたら楽しめない遊びだから、きれいに越したことはないけれど、今の状態からきれいにするのに高額な費用がかかるならそれは不要」とお客様はおっしゃっていました。

もちろん、これはご自宅でも洗える服です。でも、「洗える」と「きれいに洗える」には雲泥の差があります。だからこそ、「きれいにしたい！」という要望でクリーニングに出すのは大いに“アリ”なんです。ちゃんときれいにしてくれるお店選びさえ間違えなければ、ご家庭で洗った時とは違う仕上がりになるはずですよ。

最近、SNSのショート動画などで「洗ってみた」とか「こうすれば洗えるよ」といった内容がよく流れてきますよね。思わず「やってみよう！」って思う内容だと思います。ぜひ、一度ご自身でやってみてほしいです。洗わずに着続けるのはよくありませんからね。

そして、その仕上がりに満足であればそれでOK！でも、もし不満だったり、きれいにできなかったりするなら、それはやり方が違うということなんです。簡単にきれいになるのが理想ですが、簡単にきれいにしたいなら、あまり汚れないうちに洗うしかありません。もうとことん汚れちゃってからだと、プロが適切な手間をかけないと無理なことばかりなんですよ。

今日の事例のパンツの裾の油じみもそうですね。今回、お客様が唯一染み抜きを希望されたのが、このパンツの裾の油じみでした。両方の裾ではなく、片方だけ。自転車のチェーンがある方だけなので、つまり油汚れなんです。このウェアは水や風には強いんですけど、油には弱いんですよね。ゴアテックスのウェアに付いた油汚れ、ご家庭で普通に洗ってもなかなか取れないでしょ？

今日の事例は、何と言ってもこのはっ水のBefore & Afterに注目していただきたいんです。お客様がクリーニングに出す一番の理由は、この撥水性の復元でした。古くて経年劣化で剥離もあって、全体的に使用感も多め。汚れも目立つウェアが、どの程度はっ水が効くようになったか、ぜひ映像でご覧ください。

お客様はまだ買い替える気なんてないそうです。まだまだ雨の日に自転車で着続けたいとおっしゃっていました。本当にお気に入りなんですよ。劣化はもう止められないので、いずれ機能性にも不満が出てしまうでしょうが、それは「今じゃない」。20年経っても「今じゃない」んです。だからこそ、当店に依頼してくださったんですね。

これまでのロードバイクライフで、かなりお世話になった相棒的なウェアなんです。「これがなくては自転車を続けることはできなかったかもしれない」なんてことまで思うと、そう簡単には買い替えたくないですよね。

裏地のテープの剥がれはまだごく一部ですし、生地は極めて丈夫なので破れもありません。そしてこのデザイン、本当に秀逸で今も古さを感じさせませんよね。お気づきですか？胸にノースの刺繍がないんですよ。でも、一瞬で「ノース」ってわかるじゃないですか。このウェアはまだまだ現役だと思いますよ。

フードが襟に収納できるのも、ヘルメットを被る際には良いですよね。ジャケットのポケットはリュックのベルトに干渉しない高い位置にあるので、開閉も余裕です。ドローコードによるフィッティングの調整機能も、横殴りの雨や風のバタつきに効果的。パンツは靴を履いたままでも脱着しやすいように裾が大きく開きます。そしてスタッフバッグ付きでコンパクトにパッキングできるという、至れり尽くせりの機能性ですね。

最近のノースフェイスのイメージは、機能性よりファッション性が先行しているかもしれません。ゴアテックスのマウンテンジャケットをタウンユースしかしない人も大勢いますよね。でも、今日の事例のお客様のように、本来の使い方で長年愛用している方もいる。なんか、こういうお話を聞くと、すごく嬉しいんですよね。