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【35年前のトレンチコート蘇生記】クリーニング店で断られたルイ・フェロー(Louis Féraud)の古いシミは抜けるのか?シミ抜きの真実を全公開


1. 「捨てられない一着」に宿る想い

クローゼットの奥で、何年も、あるいは何十年も眠っている一着はありませんか? 「いつか着ようと思っているけれど、このシミのせいで着られない。でも、どうしても捨てられない……」

今回ご紹介するのは、そんな切実な想いと共に、遠方より届いたLouis Féraud(ルイ・フェロー)のトレンチコートの修復事例です。

オーナー様がこのコートを購入されたのは、今から35年前のこと。かつてクリーニング店に相談した際には「このシミは取れない」と断られ、一度は諦めていたそうです。しかし、当店のYouTube動画を見つけ、「ここが最後のチャンスかもしれない」と、私を信じて託してくださいました。


2. 35年分の「酸化変色」という難敵

お預かりしたコートを拝見すると、前身頃や袖、背中、ベルトに至るまで、広範囲に茶褐色のシミが点在していました。

35年という歳月は、服にとっては過酷な時間です。付着した汚れは酸素と結びつき、繊維の奥深くで「酸化」を起こします。こうなると、通常のドライクリーニングや簡易的な染み抜きでは、びくともしません。それどころか、無理な作業は生地を傷め、修復不可能なダメージを与えてしまうリスクさえあります。

多くのクリーニング店が「お断り」をするのは、このリスクの高さと、通常の工程では落とせないという技術的な壁があるからです。


3. 武田クリーニングの「一点入魂」メンテナンスプロセス

私は、お客様の「また愛用したい」という想いに応えるため、以下の特別な工程を組みました。

① 専用薬剤の個別調合

既製品の薬剤をただ塗るだけでは、35年分の蓄積は分解できません。繊維のコンディションを見極め、シミの種類(油溶性・水溶性・色素・不溶性)に合わせて、このコートのためだけに時間をかけて薬剤を調合しました。

② 独自の「特殊水洗い」と根気の染み抜き

トレンチコートの質感を生かしつつ、汚れを根こそぎ追い出すため、洗浄力の極めて高い「特殊水洗い」を敢行。一瞬の油断も許されない中、薬剤の濃度や温度をミリ単位で調整し、つきっきりで作業を進めます。実に6回以上の洗浄工程を繰り返しました。

③ シルエット整形プレスと質感復元

水洗いによって失われがちなハリ感を取り戻すため、独自のトリートメント加工を施します。仕上げは、立体的なシルエットを再現する整形プレス。ただ綺麗にするだけでなく、再び「格好よく」着ていただくための重要なステップです。


4. シミ抜き成功の先に現れた「真実」

作業の結果、あんなに頑固だった茶色のシミは、驚くほど綺麗に除去することができました。

しかし、ここで一つ、プロとしてお伝えしなければならない「真実」があります。 最も大きかったシミが消えた後、その下の地色がわずかに白っぽく変化(褪色)しているのが確認できました。

これは、私のシミ抜きによって色が抜けたのではありません。35年間、シミが居座り続けたことによって、シミの成分が生地の染料を破壊してしまっていたのです。

シミに隠れて見えなかった「過去のダメージ」が、綺麗になったことで初めて姿を現した——。これが、ヴィンテージ古着の修復において避けて通れない現実です。

しかし、不潔な印象を与えていた茶色のシミが消え、清潔感を取り戻したコートは、そのわずかな褪色さえも「35年を生き抜いた証」として、誇らしく馴染んでいました。


5. お客様からの感動の声

発送後、お受け取りになった前田様から、このような温かいメッセージをいただきました。

「先ほどコートが到着しました。シミや汚れが見事になくなっており、これで再び着ることができます。あきらめずにお願いしてよかった。まさかこんなに蘇るとは。本当にありがとうございます。」

この瞬間こそが、私が「店長」として一人で一点一点、情熱を注いで作業を続ける最大の原動力です。


6. 諦める前に、最後にご相談ください

「古いから」「断られたから」と、大切な一着を諦めていませんか? そのシミの下には、まだ輝きを取り戻せる生地が、そしてあなたの思い出が眠っています。

もちろん、すべてのシミが100%元通りになるわけではありません。しかし、私の持てる技術のすべてを注ぎ、最善の結果を出すことをお約束します。


お問い合わせはLINEです お品物の写真を数枚お送りいただければ、私が直接拝見し、返信させていただきます。

  • LINE ID: siminuki-takeda

山形から全国へ。 あなたの大切な一着を、もう一度主役にするために。

シミ抜き武田クリーニング 武田信一

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