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【ノースフェイス3着】ゴアテックスのはっ水低下・ムラの原因は?専用洗剤やすすぎの重要性とプロの復元メンテナンス事例

  • 執筆者の写真: 染み抜き 武田クリーニング
    染み抜き 武田クリーニング
  • 19 時間前
  • 読了時間: 5分

THE NORTH FACE ゴアテックスウェア3着のはっ水復元メンテナンス

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の定番人気アウターである「マウンテンジャケット」2着と「マウンテンライトジャケット」1着、計3着のクリーニングとはっ水加工のご依頼をいただきました。

ゴアテックス(GORE-TEX)をはじめとする高機能透湿防水ウェアは、雨や雪の侵入を防ぎながら、服内部の汗や湿気を外へ逃がす優れた機能を備えています。しかし、長く愛用していると多くのユーザーが直面するのが「生地表面が水を弾かなくなる」「雨の日に生地が濡れて黒ずんでしまう(ウェットアウト現象)」というトラブルです。

今回は、実際にお預かりした3着の状態を検証しながら、はっ水性が低下するメカニズム、部位による効き目のムラの理由、環境規制に伴う最新のはっ水加工のリアル、そしてご家庭でできる正しいお手入れ方法について詳しく解説します。


【Before検証】同じ服でも場所によって水のはじき方が違う理由

メンテナンス前の3着にそれぞれ水をかけて状態を確認しました。

  • マウンテンジャケット(2着・ブラック): 表面のはっ水性能が完全に失われており、水をかけた瞬間に生地全体へ水が染み込み、色が濃く変色してしまいました。

  • マウンテンライトジャケット(1着): 全体的にはわずかにはっ水性が残っているものの、前身頃やお腹まわりは水が染み込み、腕や肩まわりは水を弾くという「効き目のムラ」が確認できました。

同じゴアテックス素材、同じ1着の服であるにもかかわらず、なぜこのような差が生じるのでしょうか。主な原因は以下の2点です。


1. 日常動作による「摩擦」の蓄積

はっ水加工は、生地の上にフィルムを張っているのではなく、繊維の表面に微細な「突起」を作ることで水滴を点で支え、球体にして弾く構造になっています。 しかし、日常生活でアウターを着用していると、お腹まわりや前身頃はバッグのストラップ、車のシートベルト、デスクなどと頻繁に擦れ合います。この摩擦によって繊維表面の突起が削られたり倒れたりしてしまい、擦れやすい部位から先にはっ水性が失われていきます。


2. 目に見えない「皮脂汚れ・排気ガス」の付着

着用によって体から分泌される皮脂や汗、大気中に浮遊する排気ガスや微細な油分は、少しずつ繊維の奥へと蓄積していきます。この油分の膜が繊維の表面を覆ってしまうと、水を弾く力を完全に打ち消してしまいます。


脱フッ素(C0・フッ素フリー)時代の到来と「下地作り」の重要性

現在、アウトドア・アパレル業界では世界的な環境規制に伴い、長年使われてきた従来の「フッ素系はっ水剤」から「非フッ素系(C0・フッ素フリー)はっ水剤」への切り替えが急速に進んでいます。

従来のフッ素系は水だけでなく油も弾く非常に強力な性能を持っていましたが、最新の非フッ素系加工剤は「生地表面が完全に清潔な状態でないと定着しにくい」という性質があります。

市販のはっ水スプレーをご家庭で使用しても「すぐに効果が落ちる」「あまり水を弾かない」と感じる原因の多くは、繊維の奥に皮脂や古い汚れが残ったまま上からスプレーを吹きかけてしまっているためです。汚れという阻害要因がある状態では、どんなに優れた加工剤も繊維に定着しません。


シミ抜き武田クリーニングのこだわり

当店では「はっ水加工のみ」の単体作業はお受けしておりません。 必ずプロの設備と洗剤による徹底的な「ウェットクリーニング(水洗い)」を行い、繊維の奥に溜まった皮脂汚れや残留物を完全に洗い流して生地をまっさらな状態にリセットします。

清潔な「下地」を完璧に整えた上で特殊なはっ水加工液を均一に浸透させ、適切な温度管理のもとで熱処理を加えることで、素材本来のパフォーマンスを最大限に引き出します。


【After検証】水滴が球体となって転がり落ちる仕上がり

メンテナンス完了後、再び水をかけて仕上がりを検証しました。

完全に水が染み込んでいたマウンテンジャケットも、部位によってムラがあったマウンテンライトジャケットも、水をかけた瞬間に一滴も染み込むことなく、水滴が綺麗な玉となってコロコロと滑り落ちていく圧倒的なはっ水性能を取り戻しました。生地を軽く払うだけで水滴が落ち、表面に湿り気すら残りません。

表面がしっかり水を弾く状態に戻ることで、ゴアテックス本来の「透湿性(内部の蒸れを逃がす機能)」も回復し、雨や雪の日でも快適に着用していただける状態に蘇りました。


ゴアテックスウェアを長持ちさせる家庭洗濯のポイント

高機能ウェアを長く良いコンディションで維持するためには、ご家庭でのお手入れ方法も大切です。

  • 汚れたら放置せずに洗う: 「見た目が汚れていないから」と長期間洗わずに放置すると、皮脂汚れによって裏地のシームテープ剥がれやコーティングの加水分解が早まります。

  • 洗剤選びより「徹底的なすすぎ」: 洗剤成分が繊維に残っていると、それ自体が水を吸い寄せてはっ水を阻害します。すすぎ回数を増やし、完全に洗剤を落とすことが最重要です。

  • 柔軟剤・漂白剤は絶対NG: 柔軟剤の成分は繊維を親水化(水を吸いやすく)させてしまうため、はっ水機能にとっては逆効果となります。

  • 仕上げの熱処理: 洗濯後、あて布をして低温アイロンをかけるか、乾燥機で低温乾燥を行うことで、寝てしまったはっ水基が立ち上がり、はっ水性が回復します。

ご家庭での熱処理でも水が弾かなくなった場合は、繊維の奥深くに汚れが蓄積しているか、はっ水基が完全に失われているサインです。その際は無理をせず、専門店のウェットクリーニングとはっ水加工をお任せください。


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